野良猫達のラブソング㊦

探索

そのまま時間は過ぎ、また今日も何も収穫がないまま終わった。

私はいつまで、この毎日を繰り返すのだろう。

正直、何の進歩もない日々に嫌気がさしていた。

私がやっていることに、意味はある？

悶々とした気持ちのまま、部屋に戻った。

「ただいま」

そう言っても返事はない。

まだ、怒ってるんだ。

いつもなら『おう』と、返してくれる返事。

短いそれが、どれだけ幸せなことか…
思い知らされる。

イクには“いつも通り”にしてればいいと言われた。

でも…和樹が違うから“いつも通り”が分からないよ。