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もう!この人、一体なんなわけ?
と、怒っていたのに、車の揺れに眠気を誘われてしまった私。
なんて単純・・・、と思ってみた所で眠気が飛ぶはずもなくて、
そのままズルズルと眠りについてしまった。
次に目覚めたのは、ベッドの上。
「お目覚めですか。何か、お持ちいたしましょうか」
横に座っていた白鳥さんが、すっくと立つ。
「あの・・・、ここは?」
「井上家の軽井沢の別荘にございます」
ってことは、ココに父と母がいるんだ。
「・・・?あの・・・私、寝てまし・・・たよね?」
まさか寝ながらは歩かないでしょ。夢遊病者じゃあるまいし。
ってことは、白鳥さんしかいな・・・いぃっ?!
バッと白鳥さんを見る。
「ええ、もちろん私がお運び致しました」
・・・やっぱり?
途端に恥ずかしさに襲われる。よだれとか、大丈夫かな。
目半開きだったらどうしよう?!や、やばい・・・。
「ククク。何の心配をされておられるのですか?」
下を向いていたあごを持ち上げられ、かがむ白鳥さんと目が合う。
わぁ、指長くてきれい・・・じゃなくて!
さ、さっきよりも恥ずかしいかも。
「あ、あの!何で白鳥さんが?」
気を紛らわそうと、話題を振る。
「あれ?言いませんでしたか?
私、お嬢様専属の執事ですよ」
「き・・・っ、聞いてないよっ?!」
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