1章

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もう!この人、一体なんなわけ? と、怒っていたのに、車の揺れに眠気を誘われてしまった私。 なんて単純・・・、と思ってみた所で眠気が飛ぶはずもなくて、 そのままズルズルと眠りについてしまった。 次に目覚めたのは、ベッドの上。 「お目覚めですか。何か、お持ちいたしましょうか」 横に座っていた白鳥さんが、すっくと立つ。 「あの・・・、ここは?」 「井上家の軽井沢の別荘にございます」 ってことは、ココに父と母がいるんだ。 「・・・?あの・・・私、寝てまし・・・たよね?」 まさか寝ながらは歩かないでしょ。夢遊病者じゃあるまいし。 ってことは、白鳥さんしかいな・・・いぃっ?! バッと白鳥さんを見る。 「ええ、もちろん私がお運び致しました」 ・・・やっぱり? 途端に恥ずかしさに襲われる。よだれとか、大丈夫かな。 目半開きだったらどうしよう?!や、やばい・・・。 「ククク。何の心配をされておられるのですか?」 下を向いていたあごを持ち上げられ、かがむ白鳥さんと目が合う。 わぁ、指長くてきれい・・・じゃなくて! さ、さっきよりも恥ずかしいかも。 「あ、あの!何で白鳥さんが?」 気を紛らわそうと、話題を振る。 「あれ?言いませんでしたか? 私、お嬢様専属の執事ですよ」 「き・・・っ、聞いてないよっ?!」
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