-入学騒動の章-

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心の中で溜息をつき、保健室のドアを開けた。 器用に、手でね。 「……失礼する」 「はい、おは……何があった」 表面上の挨拶をしながら振り向いた保健医の表情が瞬時に変わった。 「強姦未遂。 ……休ませてやってください」 短く言うと、保健医はサッとベッドの用意をしてくれた。 テキパキとした行動にささやかな感動を覚えながら、俺は健人を寝かせてやった。 それから、様子を簡単に聞かれたが、最低限のことだけ答えた。 被害者の意識があるのに、生々しく語っちゃ駄目だろうしな。 大体話し終わると、保健医はまたか……と呟いた。 また、というほど事件が起きていることに、少しだけ気分が悪くなった。 だって、こう同意の上だけど…恥ずかしくて、とか、1対1でのSっ気あるタチの主導権を握るためのじゃれあいだとか、そういうのは萌えるじゃん。 萌えないはずがあろうか? いや、萌えないわけがない!(反語) .
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