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――やぁ、はじめまして!
俺の名前は黒羽大翔。
楽しいことが三度の飯より好きな15歳さ。
さて、今俺は父さんに呼ばれたから書斎に来たところ。
無事に高校入試が終わって、三月に入ったからもう春かな、と思っていたけど、やっぱりまだ廊下は肌寒いな。
そんなことを考えながらも、俺は躊躇いなくドアを二回ノックする。
「失礼します」
一言断ってからドアを開けた俺。
親しき仲にも礼儀あり。
これ、家訓。
「ああ、来たか」
背を向けていた父――嶺川大輔は、そう言うと椅子を半回転させてこちらを向いた。
端正で凛々しい顔立ちの、俺の父さん。
いつもはへたれた笑顔を見せているから、こんなとき真面目な顔になると威厳があるなぁ。
え、実の父に失礼だって?
父さんも俺の腹黒さは理解しているから大丈夫さ(笑)
「それで、何?
俺に改まった用事なんて珍しいじゃん」
先に俺が疑問を口にした。
「そのことなんだが……簡単に言うぞ。
俺、慧華学園の理事長になったから」
「は?」
簡単に端折りすぎて理解不能だぜ、父さん。
またいつものようにからかってきたのかと思ったが、そうではないらしい。
だが、まぁ…
思わず素っ頓狂な声を発した俺に父さんがしてくれた説明を含めて、俺が皆さんにお教えしようか。
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