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まずは俺の話をしよう。
以下が、義務教育の中学生活で出来た俺の悪友との会話だ。
「なぁ、僕たちもそろそろ受験校考えないといけないよな」
「……んだよ、改まって。
いつもはっきりとモノ言うお前が珍しいな、零。
……今度は何を企んだ?」
こんな、そこはかとなく物騒な会話が日常茶飯事だった俺たちだから、中学校では結構有名なコンビだったと思う。
「くくっ!
僕もお前には適わないな。
あのさ、慧華(ケイカ)学園って知ってるか?」
「知ってるさ、ここらじゃ見かけない有名男子校だったよな。
……ははーん、そういうことか」
癖っ毛の茶髪に、あどけない少年の顔立ちをした悪友の名前は高橋零(タカハシ レイ)。
そいつの意図が解ったので、悪巧みしたような顔で向かいあった俺たちはニヤリと笑う。
慧華学園――県内有数の進学校であり、整備された広い敷地内に、綺麗な校舎が建つ。
それだけなら何ら問題ないただの高校だ。
が、いかんせん、ココは少しどころじゃない噂が立っていた。
――曰く、生徒の八割はホモやバイである、と。
俗に言うノーマルの人もいるし、特待生制度が充実しているから受験希望者は後を絶たない。
さぁ、そして俺らがニヤニヤしている理由は……解る人には解るだろう。
「「腐った俺(僕)らにとっての、最高の舞台がそこに」」
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