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空を見れば雲一つ無い快晴。
暖かさに絆された桜が満開に咲き誇る校門前に立った俺は、すぅっと深呼吸をする。
さぁ、ついにきました入学式!
校内や来た道、周りを見ても男、男、男!
女の子がいないだけでこんなに不思議な空間になるんだ、としみじみ思うね。
とりあえず校門を入り、俺は会場となる第一体育館へ少なめの人の流れに乗って向かう。
いや、向かおうとしたその時だった。
「……?」
それなりに自然が多い敷地内の林のほうから、何かが聞こえたような気がしたんだ。
言っておくが俺はかなり耳が良い。
「…、……っ…、!」
だから、聞き間違いであって欲しいと思いながら、雑踏とは異質な声のもとへ耳を頼りに足を向ける。
するとそこには、まさかまさかの。
「ぃやっ!
やめ、てくださぁ……っ」
今まさにその当たって欲しくない現場に出くわしてしまったらしい。
のっけからコレですか……まったく。
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