*あつみな(1)

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たかみなが嫌いなんじゃない。 好きなのに冷たくしちゃう。 歩きながらちらっと見ると 悲しそうにするたかみな。 気まずいな。 ごめんね、たかみな。 「今日、インタビュー?」 頑張って沈黙を壊した。 堪えれなかったから。 「あぁ、たしかそうだよ。」 笑ってる。 悲しいはずなのに笑ってる。 なんで? 「ていうかそんな暗い顔すんな!  あっちゃんらしくない」 私らしいってなんだろう。 わかんないよ。 「べつに暗い顔なんて」 「してるだろ。私にはわかる。」 嘘だ嘘。どうせ適当でしょ。 「え.なんで」 「見てきたから。  この6年間ずっと。  辛い時も嬉しい時も悲しい時も  全部全部、私は知ってるよ」 私は何も言えなかった。 まさかたかみながこんなにも 私のことみてくれてたなんて 予想外だったから。
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