クリスマスの接触

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少しピリッとした空気が包む教室内。 時期が時期だから仕方がないとはいえ、この雰囲気に慣れないでいた。 授業はほとんど自習だけど、もちろんふざけた人は一切いない。先が決まった人だって、周りを気にして真面目に静かに取り組む始末。 この状況を私は納得出来ないでいた。かといって、何か事を起こすつもりはサラサラない。 結局、流されて他と同じように静かに過ごすしかないのだ。 そんな毎日のいつもの昼休み。 お昼もそこそこに片手に参考書を持つ人がいる教室で、私──如月詩穂<キサラギシホ>は決心のような、意気込みのようなものを呟いた。 「クリスマス、頑張ってみようかな………」 「何を?勉強?」 紙パックにストローを挿しながら友達──原口和葉<ハラグチカズハ>は聞き返した。 まったくもって検討違いな予想に、本当の答えを伝えるのも躊躇われる。 今の和葉には私の『頑張ってみる』よりも目の前の紙パックのほうが重要みたいだ。 じゃあ私が言ったら、どうなる? 「………藤村君」 さっきよりも小さい声で答えた後に和葉が勢いよく顔を上げてこっちを見てきた。
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