夢ノ中ニテ

2/5
前へ
/12ページ
次へ
そろそろ寝ないと…明日の仕事のことを思い今日は寝ることにした。 明日こそは手紙が届いてるといいな…なんて思いながら…。 その夜。 私は夢を見ました… そう、彼が屋敷のドアを開けて帰る姿を見る夢を。 私は走って近づく…でも、彼は私に見向きもしない。 ただ、私が見たのは、彼がいつもはしない顔で泣いている顔。 どうかしたんですか?何があったんですか?…そう聞いても聞こえていない。 どうか…泣かないでください。 貴方は一人じゃないんですよ…だって、私が居るじゃないですか。 聞こえていなくてもいい…私は見えなくてもここに居るんですから。 私は彼の隣に座ってそう思い続けた… 彼は急にこう言いだした『すまない…』 すると急に私の周りから暗くなり、暗闇が彼を包み込んでいく… 行かないで!私を一人にしないでください…何があったのか、教えてくださ… そう言いかけた時には、いつも見る使用人室。 仕事の時間にはまだ早いけど…あの夢が本当なら、ドアの前を掃除していれば帰ってくるはず。 私はそれを信じてみることにした。 さっそくベッドから起き上がり、使用人着に着替えて髪を整え部屋を出る。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加