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特に抵抗もしない、彼の腕に噛み付く
彼の腕に怪我をさせないよう、手加減をしながらも感触を確かめるように強弱を付けて何度も噛む
一頻り噛んだ所で流石に迷惑かと思い、腕から口を離すと何を思ったのか彼はその腕の親指を此方へ向けた
つい、その親指にまた噛み付いてしまう
そのまま爪と皮膚の境目辺りを軽く噛んでいると彼が口を開いた
「なんで俺は君に噛まれてるんだろうね」
「なんでだろ、私に噛み癖があるからかな。まあ、親指に関してだけなら君が突き出してきたからだけど」
噛み付いた指はそのままに、口には出さず視線で突き出した親指の真意を問うと、奴はほんの僅かだけ視線をずらし事も無さげに言う
「んー…舌くらい、触っておこうと思って」
唇が柔らかいのはわかったし、と表情を変えずに話す彼に、私は
「君も大概だね」
と、やはり噛み付きながら笑ったのだった
消えない噛み痕を残してやりたい
(先ずはこの指を噛み千切ってあげようか)
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