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血をボタボタと流しながら僕は雲の境目まで連れてこられた。遥か下には人間界、地上が見える。
此処から飛び下り死ぬのだ。
周りには兵天使の他に沢山の天使達が集まっていた。
天使:『聖天使様っ!!聖天使様っ・・・・!!聖天使様が人殺しなんてっ・・・!!』
天使:『何故!!・・・・あの優しく勇ましい聖天使さまは何処へ消えてしまわれたのですか!!聖天使様!!』
次々に天使から声が発せられる。
そう、僕の罪、それは・・・・
人殺し
僕は人を殺めてなんかいない。正確に言えば【道化】だ。
しかし僕は聖天使の座を奪われこのかた、今まで人殺しとして扱われてきた。
全てはウランが仕組んだ罠だったとも知らずに・・・・。
僕を罪人にすることで聖天使の座から引きずり下ろし、自分が聖天使になるという企み。
そして邪魔な僕を・・・・
消してしまえばfinish、
中にはわんわんと悲しみに泣き崩れる物もいれば何度も僕の名前を泣き叫ぶ天使もいる。
最後にこんなに僕の事を思ってくれる天使達に見守られて死ぬことができるなんて、・・・・僕は本当に幸福な天使だ・・・・。
乾いた肌に一筋の涙が伝った。
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