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『聖天使様!!行かないでっ!!』
突然、幼い女の子の天使が泣きながら僕の方に走ってきた。
少女は僕にしがみつき泣き叫んだ。
『聖天使様!!今度っ、一緒にお花畑に連れていってくれるって約束したじゃない!!行かないでよおぉっ!!いか・・な・ぃでっ・・・・!!』
少女は泣き叫ぶ。
僕はただ顔を背け涙を堪える事しかできなかった。
兵天使:『ええぃ!!下がれいぃぃいぃっ!!こいつはもう聖天使じゃない!!ただの罪人だ!!』
バンッ・・・・!!!
『キャッ・・・・!!!』
突然、兵天使が少女を槍で突き飛ばした。
少女は簡単には飛ばされ地面に身体を叩きつける。
『うわああああああああぁぁぁんっ!!!』
少女は左腕を抑え泣き叫んだ。腕からは血が滲んでいた。
『貴様!!何をする!!』
突然1人の少年天使が人混みの中から現れケガをした少女を抱き寄せる。
クラウド:『!!・・・・・サラ?!』
サラ:『クラウド・・・・。』
目の前に現れた人物に目を見張る。・・・どうしてサラが?!・・・
サラは悲しそうな表情で僕を見つめ軽く首に巻いた白いスカーフに触れた。
突然、辺りに白く深い霧が立ち込め辺りを白く染める。
深い霧は直ぐに消えサラが霧の中から現れた。
・・・・・・・・サラ?
霧の中から出てきたサラは先ほどとは全く異なる鬼のような顔をしていた。
そんなサラを見て皆、唖然とする。
もちろん僕もだ。
こんなサラ、見たことない。
少なくとも僕の知っているサラは優しく太い眉の印象的な可愛らしい少年だ。
サラは兵天使を睨み付けるとゆっくりと口を開いた。
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