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この世は力を持った人間によって支配されている。
暴力、権力、財力。
そんな力を持った者達が弱者を利用し、良い思いをしているんだ。
僕はそんな弱者側の人間。
財力も無い。体力も無い。力も弱い。頭も良くない。
学生時代には暴力を持っている奴らにイジメられていた。
そんなイジメのせいで僕は高校１年の夏には学校に行かなくなった。
――それから10年も引きこもり生活。
「こうちゃん。ご飯ここに置いておくね」
「…………」
母親は毎日文句も言わず、僕に食事を運んでくる。
だから食べる事に困る事もない。
昼過ぎに起きて、母親が用意した飯を食べ、それからは晩飯が用意されるまでネットゲーム。晩飯を食べたら風呂にも入らず、部屋に篭って夜中の３時ぐらいまでまたネットゲーム。
そんな生活を続けて今年で27歳になる。
僕は社会というものを知らない。就職どころかバイトすらした事が無いから。
仕事もしない僕に、毎月母親は３万の小遣いをくれる。だから欲しい物もそれなりに買える。
こうやってずっと親のスネをかじって生きてきた。
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