好田 流奈(コウダ ルナ)

3/4
8008人が本棚に入れています
本棚に追加
/652ページ
風俗を始めてもう4年。 18歳の頃に家出してあてもなく上京。フラフラしてるうちにいつの間にか風俗嬢になってた。 今年でもう22歳になる。 給料は月に100ぐらいかな。借金もあるしこんなんじゃ満足できないけど。 「もう時間ですね……。寂しいです。また来てくださいねっ」 愛想笑いしながらあたしは手を振る。 本当は「やっと終わった。さっさと帰れハゲオヤジ」って心の中で叫んでる。 そしてまた次の指名客と同じ事をする繰り返し。流れ作業。 「指名してくれてありがとうございます!ルナですっ!お客さん初めてですよね?名前は何て言うんですかぁ?」 「愛澤典弘です」 「愛澤さんですね!ルナの記憶メモリーにインプットしましたっ!愛澤さんは写真を見てルナを指名してくれたんですかぁ?」 またハゲたおっさんが相手かよ。内心はそう思っていた。 「私はmaxiを見てね。好田流奈さん。あなたとお話がしたいと思いまして」 そう、あたしは指名稼ぎの為にもmaxiにお店の名前を載せていた。 でもmaxiを見て来る客なんて珍しい。 「お話ですかぁ?じゃあお風呂でお話しましょっ」 「いや、服は脱がなくていいですよ」 服を脱がなくて良い、なんて言う客は珍しいけど、たまに話だけをしに来る客もいる。 この時あたしはラッキーな客だ、ぐらいにしか思っていなかった。
/652ページ

最初のコメントを投稿しよう!