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風俗を始めてもう4年。
18歳の頃に家出してあてもなく上京。フラフラしてるうちにいつの間にか風俗嬢になってた。
今年でもう22歳になる。
給料は月に100ぐらいかな。借金もあるしこんなんじゃ満足できないけど。
「もう時間ですね……。寂しいです。また来てくださいねっ」
愛想笑いしながらあたしは手を振る。
本当は「やっと終わった。さっさと帰れハゲオヤジ」って心の中で叫んでる。
そしてまた次の指名客と同じ事をする繰り返し。流れ作業。
「指名してくれてありがとうございます!ルナですっ!お客さん初めてですよね?名前は何て言うんですかぁ?」
「愛澤典弘です」
「愛澤さんですね!ルナの記憶メモリーにインプットしましたっ!愛澤さんは写真を見てルナを指名してくれたんですかぁ?」
またハゲたおっさんが相手かよ。内心はそう思っていた。
「私はmaxiを見てね。好田流奈さん。あなたとお話がしたいと思いまして」
そう、あたしは指名稼ぎの為にもmaxiにお店の名前を載せていた。
でもmaxiを見て来る客なんて珍しい。
「お話ですかぁ?じゃあお風呂でお話しましょっ」
「いや、服は脱がなくていいですよ」
服を脱がなくて良い、なんて言う客は珍しいけど、たまに話だけをしに来る客もいる。
この時あたしはラッキーな客だ、ぐらいにしか思っていなかった。
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