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時間ギリギリになるまで、愛澤とかいうオヤジは
どうして風俗をしているのか
何故そんなにお金が欲しいのか
そんな事ばかりをあたしに聞いてきた。あたしは本当のことは言わず、適当に嘘を付いてやり過ごしていた。
――そして時間が残り5分になった時。
「好田さん。私はねあなたを救いに来たんです」
「愛澤さんがルナを救ってくれるんですかぁ?」
「ええ、私には神が味方してくれています。私は神の代弁者なんですよ」
「ダイベンシャ?」
「言葉の意味はわからなくても良いです。とにかく今から見せます。静かにして耳を澄ませてみてください」
「はーい」
あたしは「変なヤツ」とは思ってたものの、こんなオカルト話を聞くだけで済むんだったら毎日でもこのオヤジに指名して欲しいと思ってた。
《好田流奈。聞こえますか?》
《私は神。あなたの望みを叶えます》
もちろんホテルには愛澤とあたししかいない。なのにあたしに語り掛けてくるこの女の声。
あたしは驚きすぎて声が出なかった。
《あなたは選ばれたのです》
《私を受け入れなさい。そうすればあなたの望みは叶います》
《私は神。あなたを導きます》
声が聞こえなくなってからも、あたしは声を出せずにいた。
そしたら愛澤から声を掛けてきた。
「大丈夫ですか?かなり驚かせてしまったみたいですね。今のは神のお告げです。好田さん。あなたは神の存在を受け入れる事ができますか?」
「……え、あ……ええ!?」
「落ち着いてください。もしあなたが神を受け入れるのであれば、私と共に来て下さい。そうすればあなたは幸せになれます」
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