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広々とした空間にいくつもの机と椅子が綺麗に並べられている。
各々の席にスーツを着こなした真面目そうな奴らが座って真剣な表情で誰かの話に耳を傾ける。
その話している誰かとは俺様の隣に座っている警察のお偉い面々。
俺様は警察にある事件の捜査協力を頼まれて、この糞真面目な会議に出席させられている。
実のところ、事件自体には興味がある。だがこんな意味の無い会議に参加するのは面倒でしかない。
「――紹介が遅れたが、私の隣に座っているのは、今回特別に捜査協力をしてもらう事になった佐伯雄大君だ」
俺様を紹介していたようだが面倒臭いから聞いていない振りをした。
それから1時間。
俺様は終始ぼーっとしながら堅苦しい会議が終わるのを待っていた。
「――以上で捜査会議を終了する。引き続き各班に分かれて捜査するように」
ほとんど話は聞いて無かったが、要するに詐欺事件と空港テロには共通点があって裏でオカルト集団が関係してるって事だろ?
前にハッキングした時に見た報告書の内容から何も進展してないじゃないか。
無能だな。
「どうだ?事件の内容は把握したか?」
警視庁副総監――改め副ちゃんが険しい表情で話し掛けてきた。
「ふぁぁ……。ん。何となく」
あまりにつまらなすぎて、欠伸が出る。
「おい。もう聞くのも嫌だが、お前……やる気あるのか?」
呆れた表情で副ちゃんが問い掛けてくる。呆れてるのは俺様の方だ。
「なあ、副ちゃん。この事件のどこが難解なんだ?」
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