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「昔、俺に信じられるのはアンタだけって言った事覚えてる?」
「知らないよ、そんなこと。
今も昔もずっと、私は自分しか信じちゃいないよ!
アンタの事なんてコレっぽっちも信用しちゃいない!」
その言葉を聞いた瞬間、今まで俺を支えてきた物が粉々に砕け、絶対だった俺の世界は壊れた。
ああ、なんで今までこんな奴の言う事を聞いてきたんだ。
ああ、もうコイツの了解なんて取らなくてもいいや。
今すぐ家を出よう。
そう決意して、すぐさま荷物をまとめて家を出た。
アパートの階段を降りようとした時、アイツが俺の腕を掴んだ。
「待ちなさい!どこに行く気だい!?」
「もうあんたには関係無いよ」
「なんだい!その反抗的な態度は!アンタはね、一生私の為に働かなきゃいけないのよ!私の道具(モノ)なんだからね!!」
モノ……?
ああ、オレのコトか。
「早く戻って飯を作れ!何をグズグスしてるんだい!早く――――」
もうイイ……。
モウ、喋らないでクレ。
モウ、シャベルナ……。
モウ……。
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