接触

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【ふぅ……。厄介な事になったな。まさか俺が疑われる日が来るなんて……。でもどうして佐伯は俺を疑っているんだ?佐伯自身も証拠が無いと言っていた。奴の言葉通り証拠らしい証拠は残していないのは確かだ。なら何故?】 【――まぁ、俺が神信会を裏で操っているのを証明するってのは、俺が思念を使っているのを証明する事と同じ。思念を使っている証拠なんて絶対に出ない】 【くくく……。俺が思念を使っていると証明する方法は無いぞ?あるとしたら俺が自白する事だけだ。だがそれは絶対に無い。どうする佐伯?】 怪しい笑みを浮かべる翔に冷たい視線が送られる。 周りの視線に気付いた翔は頭の世界から一気に現実に引き戻され、恥ずかしそうにそそくさと席を立ち会計を済ませてから喫茶店を出る。 【考え事をするのはやっぱり自分の部屋に限るな】 そんな事を考えながら、翔は自宅に帰って行った――。
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