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窓から差し込む光に照らされて、元々白い天井がより白く強調されている。
視界に広がるその白さに違和感を覚える翔。
【ん……ここは?】
寝ぼけながら、身体を起こす。
そして見慣れない寝室を見てようやく思い出した。
【ああ、美菜の部屋か。思念の副作用が酷かったから寝かせてもらったんだっけ……】
ふと翔が横を見ると美菜がベッドに上半身を預けて眠っている姿が映る。
【ずっとここに居てくれたんだ……。ありがとう美菜】
【ところで今何時だろう?まだ明るいからそんなに時間は経って――】
【ん?明るい?】
ベッド脇に置いてある時計に目をやると、短針は7を指していた。
【朝7時……!?】
思いもよらない程の時の経過に驚く翔。
【12時間ぐらい寝てしまったのか……。美菜に悪いことをしたな】
美菜を起こさないように静かにベッドから出ようとする翔。
が、その僅かな振動で美菜が目を覚ます。
「んんー……。翔……大丈夫ぅ……?」
いかにも寝起き、という感じの甘い声で、目を擦りながら聞いてくる美菜の姿もまた可愛らしいと翔は感じていた。
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