狂気の三角関係

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「おはよう。もう大丈夫だよ。心配掛けてごめんね。それにベッドまで占領しちゃって……」 「ううん、気にしないで。それにしても翔が元気になってよかったぁ……」 胸に手を当てながら大きく息を吐いて安堵する美菜。 「てか、ずっと傍に居てくれたの?」 「うん。何かあったら大変だもん」 「ただの頭痛なのに大袈裟だなぁ」 「大袈裟じゃないよぉ!急に真っ青になって、すっごい汗かいて、辛そうにして……見てるこっちは心配で心配でたまらなかったんだから!」 その声の張り具合で、美菜がどれだけ自分のことを心配してくれていたのかを察した翔。 「ごめんごめん。心配してくれてありがとね。でももし今度こんな事があった時は心配しないで。寝れば治るからさ」 美菜はブルブルと首を横に振る。 「心配するなって言われても無理だよっ!翔が逆の立場だったらそう言われても心配するでしょ?」 「逆の立場か……。そうだね。うん、間違いなく心配する」 「でしょ?私も同じだよ」 「――じゃあ心配するなとは言わないけど、寝れば治るってことは頭の隅に置いといてね」
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