狂気の三角関係

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美菜はこくりと頷く。 そして2人はリビングに移動し、ソファに腰掛けた。 「朝ごはん簡単なもので良いなら何か作ろっか?」 そう口にする美菜の表情は笑顔だったが、目の下がうっすらと褐色になっていて、寝不足なのが見て取れる。 「ん、それより美菜あんまり寝てないんじゃない?」 「大丈夫だよ。2時間ぐらい寝たから」 「2時間じゃ寝た内に入らないよ。俺はこのあと用事もあるし、今からでもゆっくり寝て?」 翔は特に用事がある訳では無かったが、これは美菜に気を遣わせない為の方便だ。 「そっかぁ。じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな」 「うんうん。でもなんか色々ごめんね。せっかく仕事休んでもらったのに、ろくに話も出来なかったしさ」 「翔は私に気を遣いすぎたよっ。そんなの気にしないで?」 【美菜も結構俺に気を遣ってると思うけどなぁ】 と密かに思いながらも口には出さずに「わかった」と返事をして、翔は帰る仕度を始めた。 「――それじゃあ帰るよ。ゆっくり寝てね」 「うん。気をつけて帰ってね!バイバイ!」 少し寂しげな笑顔で手を振る美菜に背を向けて玄関を出る。 そして眩しい朝日を浴びながら翔は帰路についた。
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