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「ん?聞こえるって何が?」
【まじか!?ほんとにできたぞ!なんだこれ!?夢なのか!?】
目を丸くして驚いている翔の様子を見て美菜は不思議そうな顔をしている。
【そうだ、夢だよな!夢じゃなきゃ説明がつかない!】
翔はベタな方法だが頬をつねって夢か現実かを確かめた。
「痛ぇぇ!」
翔は夢だと思い込んでいたせいで、全く容赦なく思い切り爪を立てて自分の頬をつねった。
「翔っ!?何してるの!?」
「はは……酔いさましかな」
翔の言葉通り、頬の痛みと夢じゃなかった事への驚きで、すっかり酔いはさめていた。
冷静を装いながら、裏腹に翔の頭は益々混乱していた。
「とりあえず今日はだいぶ酔ったから、もう帰るよ」
「うん、そうだね。お金は払っておくから気にしないでね。じゃあ、気をつけて帰ってね!またメールするっ」
2、3の言葉を交わして美菜と別れた。
翔はすぐにでも家に帰りたかった。落ち着ける場所で頭の整理をしたかったのだ。
――家に帰るとすぐさま風呂を沸かして、着ていた衣服を乱雑に脱ぎ捨て浴槽に体を沈める。
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