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《聴こえますか?私は神です》
驚きの余り、持っていた携帯電話を落としてしまいそうになりました。
紛れもなく神の声。
その優しく包み込むような喋り方も神そのもの。
しかし私は落とさなかった。
聴こえてきたのが本物の“神の意志”であれば、私は間違いなく携帯電話を落としていたでしょう。
「馬鹿にするのもいい加減にしてください!」
温厚だと自負する私ですが、腹が立ちすぎて思わず声を荒らげてしまいました。
「あ、やっぱりバレちゃった?まぁ怒らずに聴けよ。今のはボイスチェンジャーで“神の意志”を再現した訳だが、それでも一瞬錯覚しただろ?」
彼が言うように錯覚はしましたが、それはあくまで一瞬だけです。ちゃんと聴けば彼の“神の意志もどき”が本物とは程遠い、全くの別物だとわかります。
確かに声や口調は完璧に再現していました。しかしそんなんじゃ私は騙されません。
大きく違うのはその聴こえ方。
彼の“神の意志もどき”は通話口から耳に届くだけ。でも本物の“神の意志”は脳に直接響くのです。
「確かに錯覚はしましたが、それが何だって言うんです?偽物は偽物でしょう!」
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