愛澤の葛藤

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――翌日11月6日。 「ほほー……これが新しい会場ですか。大きいですねぇ」 会場があまりに立派でついつい独り言を言ってしまいました。 今日は「会員数が増えたので試験的に大きな会場に変更してみませんか」と言う七崎君の提案で、いつもとは違う会場に来ています。 「――と言うわけで、会費を滞納している人がちらほらいるから、ルナ困ってます!みんなきちんと納めてくださいねー?」 今は好田さんがマイクを握って会員の皆さんに連絡事項を伝えています。 集会は滞りなく進行しました。 会場変更以外は普段と何ら変わりません。 問題はこのあとです。 佐伯さんが言うには、今日の“神の意志”の内容はある会員さんを“捕らえる”もしくは“殺せ”というもの。 そして昨日の電話には続きがありました。 「もしXが“神の意志”で、ある会員を「殺せ」と命じた場合は他に手を打ってあるから澤ちゃんは何もしなくていい。だが「捕らえろ」と命じた場合、捕らえられた奴の面倒は澤ちゃんがみられるように仕向けてくれ。他の会員だと危険だからな」 「仕向けるって言っても、神が面倒をみる役を他の会員さんに指名してしまったら私にはどうすることもできないですよ?」 「まぁたぶん大丈夫だぜ。そんな重要な役目は幹部クラスにしか任せないはずだからな。俺様の勘だとXが澤ちゃんを指名する確率は8割ってとこだな。そうならなかったらならなかったで俺様が何とかするから気にするな」 そして佐伯さんは少し間をあけてから最後にこう言いました。 「とにかく神を信じるな。澤ちゃんは澤ちゃんの良いと思う行動をしろ」
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