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神はここに集まった会員の中に背徳者が居ると言い、2人の青年を名指ししました。
そして挙手させられる2人の青年。
彼らが神の言う背徳者なのでしょうか?
他の会員達も私と同じように思ったらしく、2人の青年に鋭い視線が集まっています。
すると間もなく神は2人の青年は背徳者では無く、その背後に居る男が真の背徳者だと述べました。
そして――
《――皆さんで協力してその愚かな背徳者を拘束してください!》
もしかしたら既に私は神を信じていたのでは無く、そうならない事を願っていただけなのかもしれません。
遂に――遂に恐れていた事態になってしまいました。
佐伯さんの予想が当たってしまった。ある会員を“捕らえる”という彼の予想がそのまま現実になってしまった。
その事実を突き付けられた私は立ち尽くすのみ。事の成り行きを呆然と眺めるのみ。
会員達は背徳者を捕まえようと今にも飛び掛かろうとしています。
夢の中をふわふわと漂うような、まさに心此処に在らずという状態でそんな光景を眺めていると――
つんざくような爆発音が私の鼓膜と肩と心臓を激しく揺らしました。
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