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私の言葉に好田さんは目を合わせて静かに頷いた。
――さて、私も彼女を見習って覚悟を決めないといけませんね。冷静を装ってますけど正直すごく怖いです。
七崎君が私達を撃つとは思えませんが、転げた弾みで暴発とかしてしまったら危ないですからね。
私は拳銃を注視しました。
――どうやら今が絶好のチャンスのようです。
今彼は拳銃の引き金から指を外しているので暴発の危険性は少ないでしょう。
いきましょうか。
私は好田さんにアイコンタクトを送りました。
そして大きく息を吸い込んで、ゆっくりと七崎君の背後に忍び寄ります。
彼の背中が残り1mというところまで来ると、私はゆっくり進めていた足を一気に加速させて、勢い良く彼に体当たりをお見舞いしました。
鈍い音と共に前のめりに倒れ込む七崎君。
床に激突した衝撃で彼は拳銃を手放しました。
――よし!
拳銃は好田さんに任せるとして、私は――
すかさず俯せで倒れている七崎君の背中に馬乗りになり、力いっぱい押さえ付けました。
しかし意外にも七崎君は一切抵抗することなく観念した様子。
そうこうしている内に好田さんが拳銃を拾い上げ、私達は無事に神に与えられた使命を果たすことが出来たのです。
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