賭けトランプ

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【見るからに怪しい男……。まさか向こうから声を掛けてくるなんて。顔を知られてないから大丈夫だと油断してた】 「ははは、戸惑ってるみたいだな。掲示板に書いた通り、俺には人の心を読む超能力があるんだよ。あんたの心を読んで、俺を探してるってわかったんだよ」 「すごい、本当なんですね!」 【本当なのか!?なら今も読まれてるのか?常に心を読まれてるとしたら厄介だ……】 「一つ言っておくけど、常に心を読んでいる訳じゃないから安心しな。集中しなきゃいけないから疲れるんだ。あんたが信じてくれたらもう使わないさ」 【今の受け答えも、まるで俺の心を読んだかのような言動……やっぱり本物なのか!?】 「ま、こんな所で立ち話してても仕方ないだろ?近くに俺の事務所があるからそこに移動しようぜ」 「え……」 【事務所?風貌からしてヤクザなのか?だとしたらマズイ】 「ああ、別に取って食おうって訳じゃないから安心してくれ。じゃ、俺について来いよ」 【マズイ……何されるんだ?俺にも能力があるってメールで伝えてるはずなのに一切そのことは聞いてこなかった。能力は関係ない?】 【ヤクザだとしたら一般人の俺に何の用だ?マズイ……マズイぞ】 【走って逃げるか?顔は見られたけど、他の情報は知られてないし】 【いやいや、心が読まれてるなら住所や名前も知られてるかもしれない。逃げても無駄なのか……】 翔は心が読まれているかもしれないという恐怖心から逃げる事を諦め、怪しい男について行かざるを得なくなった。 新宿駅から歩くこと10分、男の事務所に到着した。事務所と言っても見た目は普通のマンション。その一室に連れて行かれる。
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