神の意志

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「はは、祭状態だな。たった1日でスレがガンガン伸びてやがる」 モニターを眺めて細く笑む翔。 日本全国で響き渡った“神の意志”はあっという間に世間をひっくり返す程の騒動になり、まさに日本中がお祭り騒ぎだ。 ネットの掲示板も炎上しており、アクセスすら困難になるほど。 各局マスメディアでは通常の放送予定を変更して1日中、“神の意志”関連の報道や特番がなされている。 それに伴って公的機関も調査に乗り出しており、“神の意志”は全ての人間と言っても過言ではないほどの人々が関心を寄せていた。 「――さて、年末までは定期的に神の意志を発信して話題を風化させないようにしないとな」 静かな部屋の中、一人呟く翔。 今回の騒動の発端は紛れもなく翔にある。であれば彼の狙いはどのようなものか。 西城を自首させた後、好田以外の幹部が死んだことにより神信会は実質的に解散することになった。 翔にとっての障害が排除されたと同時に多くの駒を失う結果になってしまったのだ。 そこで翔は新たな計画を企てた。それはシンプルなもので、再び手駒を獲得しようという計画だった。
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