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「この部屋だ。入る前に1つ注意しとくけど、1度入ったらこの部屋の事は絶対に口外するな」
男は目を細め睨むように翔を見る。
【口外するなって……絶対ヤバイじゃないか】
「じゃ、入ってくれ」
【俺に拒否権はもう無いのか?くそっ……!こんな事になるなんて】
男は翔に有無を言わさず部屋に招き入れた。
中に入るとそこには、ルーレットやポーカーテーブルなどの誰もがカジノという単語で思い浮かべる器具が並べられている。
そこには従業員らしき人物が3人。客らしき人物が5人。計8人の人間がいた。
【カジノ!?どういうことだ!おかしいだろ!?】
翔がおかしいと考えていたのはそのタイミング。ちょうど翔は昨日、カジノについて調べていた。
そしてカジノとは全く関係が無い超能力者掲示板で知り合った男にカジノに連れて来られたからだ。
「ははは、驚きが顔に出てるぜ。そろそろネタばらししてやろうか?」
馬鹿にしているような笑顔で男は翔に問い掛ける。
「ネタばらし……?」
「あんたが考えてる事はわかるぜ。どうして自分がカジノを探していたのを知ってるんだ!?……だろ?」
翔が疑問に思っていた事を的確に言い当てられた。
「その通りです……」
「答えは簡単。最初に言った通り俺が超能力者だからだ。俺の超能力は人の心が読めるだけじゃない。少し先の未来予知もできるんだぜ」
「未来……予知?」
「ああ、だからあんたが俺にメールをくれる事も、カジノを探す事も予めわかってたのさ」
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