賭けトランプ

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【なるほど……そうやって超能力を信じ込ませ、上手く言いくるめて相手をハメる。それがこの熊野という男の手口か】 【今日俺が勝つって予知したなら経営してるアンタは損するだけじゃないか……って突っ込みたい所だけど、機嫌を損ねる訳にはいかないしな】 「でも、お金が無いのにどうすれば?」 「神宮君には特別に無担保で50万貸してあげるぜ。絶対に今日やるべきだ。こんなチャンスは2度と無いぞ。なんたって勝ちを約束されたギャンブルなんだから」 「無担保ですか。でも利子はあるんでしょ?」 「利子はトイチだけどな。大丈夫。今日は勝つんだから」 ニコニコしながら熊野は借用書らしき紙を取り出す。 【最悪だな……トイチ、つまり10日で1割の利子。もし負けたら50万の借金がすぐに膨らみ何百万の借金にかわる。まるで1度はまると抜け出せない蟻地獄。今日は勝てると何度も言ってカモを洗脳する手口……】 「んー?迷ってるのか?もしかしてまだ俺の超能力を疑ってるのか?」 「いえ、信じてますよ」 【どうする?このままじゃ本当にヤバイ。もうあれこれ考えても仕方ない】 翔は目を閉じ、美菜の姿をイメージして思念を送る。 《美菜、聞こえるか!?助けて欲しいんだ!》 《色々あって、今俺はヤクザに無理矢理監禁されてるんだ!このままじゃ何をされるかわからない!今すぐ警察に連絡してくれ!場所は――》
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