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【配られたカードの中には……ジョーカーが来てるな。ジョーカーが俺に渡るように何か不正をしたのか?】
【ん、これは……?そういうことか】
ジョーカーのカードの角にわずかに傷がある。意識してカードの角を見なければ確認できないような傷だ。
【ジョーカーに傷をつけてわざと俺に配るように仕組んだな。熊野の指の動きの違和感。それは恐らくジョーカーの角についた傷を指先で確認しながら配っていたからか】
【だが相手の従業員にはこの小さな傷は見えない。ジョーカーの位置がばれる心配は無さそうだ。それなら問題は無いな】
そうして2回目の賭けババ抜きが始まる。
お互いの手札の枚数はすぐに少なくなり翔が6枚、相手が5枚までゲームが進んだ所で翔が動く。
【さて、そろそろジョーカーを引いてくれないと困る。思念で誤ったジョーカーの位置を伝えればそのうち引いてくれるだろうが、その方法は何度も通用しない。何度も誤ったジョーカーの位置を伝えればいずれ疑われる。心を読めるんじゃなく、相手がわざと読ませてるのか?と疑われたらおしまいだ】
【この作戦が使えるのはせいぜい2回ぐらいが限度。だから本当にピンチになるまでは取っておきたい】
【まだ枚数のある今のうちになんとか思念を使わずに引かせたいな……】
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