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【チャンスは実質あと1回。次の1回で相手がジョーカーを引かなければ思念を送って引かせるしかない。今度こそ相手から見て左から2番目だ】
《今度こそ引いてくれ!!》
翔は従業員に当たり障りの無い思念を送っている。だがそれは翔の本音でもあった。時間を稼ぐ為には負けられない勝負。無意識の内に力が入り、思念の中に本音が混じっていた。
翔の気迫がそうさせたのか、単なる従業員の癖によるものか、従業員はジョーカーに手を伸ばし、それを引いた。
《よし!!やったぞ!!》
【あとは1回戦の要領でジョーカーの位置を探ればいい】
1回戦と同様に翔は思念で相手に探りを入れジョーカーの位置を特定した。これで勝ちを確信していた翔。
だが残り手札、翔が1枚、相手が2枚になった時に、翔にとって予想外の事が起きた。
「すみませんオーナー。1つ提案していいですか?」
翔がカードを引こうとした瞬間だった。従業員が突然、熊野に向かって提案があると話し掛ける。
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