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【……キタ!ジョーカーじゃない!】
結果、翔の引いたカードはジョーカーでは無かった。
「やった!今日は本当にツいてるぞ!」
その言葉を聞いた熊野は先程までの余裕の表情とは打って変わって顔を強張らせる。今にも文句を言い出しそうな表情で舌打ちをした。
2連勝をする事ができた翔の手持ち金額は16万になり、次の勝負の賭け金を決める。
「……神宮君。次の賭け金はどうする?あんたの手持ちは16万だから、全額勝負で勝てば32万。その次も全額で勝てば64万だ。あと2連勝すれば目標額に届くよな。あんた今日は本当にツいてるみたいだし、もちろんまた全額で勝負するよなぁ?」
【馬鹿め。俺は50万を目標にしてる訳じゃねーよ。時間さえ稼げれば良いんだ】
【さて……それよりこの辺で負けとかないと、あんまり勝ち過ぎたらどんなイチャモンを付けられるかわからないからな。どうせジョーカーは俺に配られるんだから、わざと負けるのは簡単。賭け金は最低金額の4万だ】
「すみませんが、4万でいきます」
「おいおい、4万だって?そんな賭け金でちまちまやってたらいつになっても50万なんて稼げないぜ」
「ここで調子に乗ったら負けてしまいそうなので……。とりあえずは様子見ですよ。次の勝負で勝っても負けても、その次の4回目は全額勝負でいきますから」
熊野は不満そうな顔をしながらも4回目は全額勝負という言葉で納得した。
そして翔の思惑通り、3回戦でもジョーカーは翔に配られて相手にジョーカーの位置を思念で伝えて、わざと負ける事に成功した。
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