賭けトランプ

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【始まってしまった……。もう完全に運の勝負をするしか無いのか?もし負けたら100万の借金――】 【あ、そうか。パニックになって単純な事を忘れてた。負けても警察が来れば全部解決する。もし警察が来なくても、さっき考えた脱出の方法が成功すれば、全く問題無いじゃないか】 翔は4回目の勝負が終わった頃には自力で脱出する方法を考え終えていたのだ。 【できれば勝ちたいが、負けても問題が無いなら気負う事はない。落ち着いて勝負に集中しよう】 カードを配り終わった従業員は熊野の後ろに立って待機。 翔は従業員によって配られたカードに目を通す。運良くジョーカーは熊野の方に渡っていた。 そして更に、翔にとってはこれ以上無い程の奇跡的な展開になっていた。 配られたカードの中で数字が揃っているものを場に捨てると、残ったカードの枚数は翔が3枚、熊野が4枚だった。これほど最初からカードの枚数が少なくなるのは正に奇跡である。 しかもジョーカーを持っている熊野が先攻なので、翔の手札は最初から2枚しか無いようなもの。つまり翔が引く番でジョーカー以外を引けば勝ちなのだ。 「なんだよ!この展開は!!」 断然、翔に有利なこの展開に熊野は苛立ちを隠しきれずに叫ぶ。
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