賭けトランプ

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「とりあえず俺が持ってるあんたの基本情報は、名前、年齢、性別、住所……あとは携帯電話の番号なんかだ。細かい事を除けば基本は他の客も同じで、それ以上のことは知らねぇ。で、客の情報はハッカーに依頼して調べてもらってる。あんたの場合も他と同じようにそのハッカーから情報を買った。そういえば……何故だかわからんが、あんたの情報は普通の客より細かく調べてくれてたがな」 「じゃあ俺がカジノに興味がある事を熊野さんが知っていたのは、ハッキングされてたからですか?」 「そういう事だ。正確には俺が作った闇カジノのホームページにアクセスした奴を対象にしてハッキングを依頼している。ホームページにアクセスするって事はカジノを探しているって事だ。そういう奴の情報を手に入れて電話なりメールなりでコンタクトを取って、ここに連れて来るって訳だ」 「なるほど……。じゃあ熊野さんが超能力者掲示板に書き込みしてたのは何故ですか?」 「ああ、あれはオカルト商品を売り付けるカモを探してたからだ。俺はカジノの経営だけじゃなく、インチキグッズなんかの商売もやってるんだよ。ああいう掲示板に書いておけば、超能力を信じてるような奴がメールしてくるからな。そういうオカルト信者はインチキな幸運の壷とかを売り付けるのにはもってこいのカモだ」
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