8008人が本棚に入れています
本棚に追加
この日、翔は1日中maxiで様々な人間のページを見ていった。
学校でイジメられている事を日記に書いていたり、ニート生活を誇らしげに書いてある日記などもあった。
だがそういった人間は大抵、肝心の顔写真を載せていない。後ろめたさがあるが故、特定される事を恐れているのだ。そんな中でも翔は地道に探し続けて10人程、めぼしい人間を見つけた。
夜になると翔の携帯に美菜からのメールが届く。
――――――――――――――
リストラされちゃったお客さんからOKもらったよ(b^ー°)
どうせ仕事してないからいつでも良いってさ☆
日時はどうする??
――――――――――――――
【いつでも大丈夫ならすぐにでも実行したいが、もう21時回ってるしな。明日にするか】
【メールの返事……面倒だな】
《あ、聞こえる?驚かせたらごめん。この思念が聞こえてたら携帯にワンコールして》
10秒ほどすると翔の携帯の着信ランプが一瞬光る。
《聞こえてるみたいだね。遠くにいても思念を飛ばせるかの実験も兼ねてこっちで連絡してみたんだ》
《それで、さっきのメールの返事だけど、知り合いに都合の良い日時を聞いてみたら、明日の正午が良いって言われたんだ。だからその客に明日の正午、待ち合わせ場所は駅前の噴水で良いかどうか聞いてもらえる?》
《じゃあOKだったらまたワンコールお願い》
思念を送り終えると再び携帯の着信ランプが光る。それは一瞬ではなく、明らかに何コールもされていた。
最初のコメントを投稿しよう!