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「お前さんはなんにもわかっちゃいないね・・・クスクス・・・・まったく昔から目の前の状態しかみないで判断する。だからお前さんはいかんのさ。」
魔王は少し上を見上げ月を見ながらため息混じりにレシェーネのほうにむいた。
「それは重々分かっていますがしかしそんなわたしでも分かることをなぜするのか魔王様のご決断がわかりかねます!!」
レシェーネは少し落ち着いた様子ではあったがそれでもまだ怒りが収まらないと言わんばかりに声を荒げた。
そんな様子を見た魔王はやれやれというような顔をしばらくし底冷えするような声でレシェーネに言った。
「まぁお前の判断も分からんでもないが・・・・・・・・私の決断にこれ以上文句があるなら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・潰すよ・・・・・・・・・」
魔王の声は底冷えするような低く諭すような声なのにその目の奥は獲物を見つけたかのようにギラギラとしていた。そんな魔王をみてレシェーネは二・三歩後ずさり額に冷や汗が一つ流れた。
「で、出過ぎた発言をいたしました。申し訳ありません。それでお時間がきましたので私は失礼いたします。」
レシェーネはクルリと魔王に背を向けドアに向かいドアに手をかけようとした時魔王はレシェーネを呼び止め黙って聞くように指示した。
「今はせいぜい平凡といわれているだろうがやつはきっと・・・・・・・・・・クスクスいずれ私が化けの皮を剥いでやるからその時までお前も腕を磨いておきな。」
それを聞きレシェーネは何もいわず踵を返し魔王の部屋から出て行った。
(魔王様の声は風で聞き取れない部分があったがいずれ自分が出るとおっしゃっている私も腕を磨いておかなければ)
そう思いレシェーネは暗い暗い廊下の奥へと消えていった。
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