3.見上げる

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☆ 「ん?」 瞼を開けると見知らぬ天井...いや、見慣れた天井が見えた。どうやら、床で寝てしまったらしい。ん...いやオレは......。 ......。 あぁぁぁぁぁぁあ!?そ、そうだオレはぁぁぁあ!! と頭を抱えて悪夢を振り払うべくブンブン振る。 「い、いや待て」 大丈夫だ。オレはまだ事には及んでいない! ははは...オレってば早とちり★ 「あふん...お兄......あなた」 「!?」 ......たぶん聞き間違いだろう。そうだ。いくら寝ぼけていても、沙裕美がそんな事言うはずがない。 「あ、あなた。ご飯にします?お風呂にします?それとも......」 続いて沙裕美がモニョモニョとした口調で告げる。オレは何と無く"それとも"の後が気になり、沙裕美の口へと耳を寄せる。 まぁ、ただ男が夢見る言葉を聞きたいだけなんだけどね。 「それとも?」 オレは沙裕美にそう囁いた。言葉が途切れてしまったからだ。 「うん...」 沙裕美は軽く唸ると一度口をムニュムニュさせた。 「みゃ......あなた。ご飯にします?お風呂にします?それとも.....」 「ゴクリ......」 ま、まさか夢の台詞が妹の口から聞けようとは夢にも思わなかったぜ。 固唾を飲んで見守るオレに沙裕美はもう一度口をムニュムニュさせた。 「それとも..........鎖?」 「なんっ...でやねんっ!?」 深夜に響き渡るオレの叫びだった。 まさかの鎖である。意味分からん!何なの?沙裕美の新婚は帰って鎖で拘束することから始まるの!? 「ん......」 沙裕美が寝返りを打つ。運良く沙裕美を含む四人は目を......。あれ? 四人......? オレは部屋を見渡す。ええっと、隣は沙裕美。反対には柚穂がかなり危ない状態で服をはだけさせながら寝ている。少し体を起こすと、雅と朱音が相互抱き合いながら寝てるし。 ......香が居ないのだ。 「何だ?トイレか」 女の子に対し恐ろしくデリカシーがないオレである。 「ぐうっ...そういやトイレ我慢していたんだった」 あまりの恐怖プラス気を失った?事により尿意を忘れていたようである。
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