10・願わくは

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「眠ってる間に、白鳥先生が来ました」 唐突に藁科から報告を受ける。 「えっ? 気付かなかった」 「よく眠ってましたから。出てもいいか迷ったんですけど、うるさくって……」 「構わないよ」 何故か幸せそうに微笑む藁科。これは後で是非とも問いたいことだと記憶する。白鳥さんの話題の合間なんて嫌すぎる。 「――ありがとうございます。で、白鳥先生、お見舞いを持ってきてくれました。スポーツドリンクと、御用達の幕の内だそうです。白鳥先生が病気の時の栄養食らしいです」 「ガッツあるなあ。いつでも」 「『僕の功績を称えろ』っていう顔でした」 「まあ……」 そうだろう。功績の結果の賜物が、オレの家の中から出てきたんだから。 「無駄にキラキラしていたので、体調快復のためにも速やかに帰ってもらいました」 「それは助かる」 「私だけが傍にいたかったし」 「っ!! ……」 ……ふいうちは、今はやめてほしいと心で願った。
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