瞳が映す景色

10・願わくは

風邪が消え去るのはもう少し後がいいと思った。 目をきつく閉じて煩悩を追い出す。真摯に看病してくれる藁科に手を出すなんて……。

治った後も、オレはどうやって、このジレンマと戦えばいいんだ？

加減は必要で、容易じゃないだろう。

けど、藁科だから可能なこと。

ああどうか。オレに出来る努力はどんなことでもするから――

――どうか、この幸せに永遠を。

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