1・ポニーテールの刃

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「和風カフェか。団子余ったら、オレに教えてくれよな」 「買い取り、してくれるんですか?」 「えっ……そんなシステムだったけか?」 「ふふっ、嘘です。センセは甘党なんですか?」 「ん、あんこだけな。――ときに藁科。その『センセ』という言い方、キャバクラみたいだ。面接の時にうっかり出ないように、今から気をつけておいてもいいかもしれないぞ」 「……」 文庫本を閉じる音が響いた。見ると、藁科の顔がひきつっていて。 あれ? 問題発言でもしたか、オレ……。 「行ったことあるんですかっ? キャバクラッ!?」 「ああ……、そっち?」 「えっ、そっち?」 「いや、こっちの話。付き合いで一回か二回だけだよ。……まあ、オレの主観でしかないが、言葉は最後まで発音してこそ美しいんだぞっ」 一体そこにどれくらいの効果があるのかは不明だが、もう少しあった付き合いの回数を、年頃の少女の潔癖さを考慮して抑え気味にした。 ……楽しめず、すぐに帰った思い出が蘇る。
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