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「乙幡のそういう黙して察しろってとこ、わりと好きだぜ」 「それはどうも」 そう古い記憶でもないのに懐かしく思えてしまうのは、その恋愛がすでに過去形になっているからなのか、はたまた愛情を越えて異なる感情になってしまったのか。 深いところを掘り下げてもなんにもならないのでその思考はいったん打ち切った。 ふと視線をずらせば妙に笑顔な久保田先生がいた。 「……なんですか?」 「別に?ちゃんと会長サンしてるんだなーって思っただけ」 「妙なこと言わないでください」 「やだなー、褒めてんだよ?一応」 そういえば、あんまり公言することでもないので自分から言うことはあまりないが、僕はこの学校の次代生徒会長だったりする。 現在の役職は副会長なのだが、今の代の会長が卒業したら僕が会長として前に立つことになる。 そういう大役は岡安君みたいな人目を引く人間がやるべきだと思うのだが、そういうわけにもいかないのが多数決というもの。 なぜそうなったのかは……まあ彼の一言が学校全体を傾かせたんでしょうね。 それに、普段の僕の立ち回りも関係してるんだろうけど。
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