目覚めと魂

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「え、何?」 僕は震える声を絞り出した。 「ソウルちゃん?」 鈴も困惑した表情で彼を見ている。 すると次の瞬間に、恐ろしいほどの輝きを放っていたナイフは、ただのバターナイフになった。 それを掌で転がしてみていた鈴の表情が変わった。 困惑と激しい怒りが混じっている。 とても危険を感じる表情だ。 今すぐここから逃げなくては。 そう思うが、僕は体を起こすこで精一杯で何もできなかった。 僕は何て弱い人間なんだ。そう感じた瞬間だった。 「ソウルちゃんまさか契約を解除するつもり?話が違うわよ。魂を食わせれば何でも言うことを叶えてくれるって言ったじゃない?お金も、家も……」 その声は震えていた。 「知らん」 だが麗人の声はその一言で全てを否定した。 「ふ、ふざけるんじゃないわよ!一体何百体食わせてやったと思っているの!?私は貴方があの人に相応しい人間にしてくれるって言うから協力したのよ!?」 「口約束の証拠はどこにある。愚かな女よ。ひひひ」 麗人はその容姿に不釣り合いな下品な笑い声を洩らした。 鈴はその言葉を聞いて、糸が切れた人形のように床に座り込んだ。 麗人は横目でそれを確認すると僕に近づいて来た。 そして目の前に来るとそっとしゃがみこみ、僕の手を壊れ物のようにそっと掴み、そっとささやいた 。
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