「平凡」のピリオド

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ジリリリリリ! 今日も決まった時間に目覚まし時計が僕の部屋に鳴り響く。 (……。) まだ寝起きで頭がぼーっとしている為か、目覚まし時計が目の前で 鳴り響いてて、止めなくちゃと思ってはいるが中々身体が動かない。 (うるせー…。) やっと動いた腕を伸ばして鳴り響く音を止める。 制服に着替えリビングに向かい階段を降りる。階段の半ばからいい匂いがしてきた。 「おはよー正義。」 姉は既に朝ご飯の支度を終えていた。そんな姉に挨拶をして、朝ご飯を食べ始める。 因みに今日の朝食のメニューは、目玉焼きにウインナー、パン二枚に紅茶だ。なんともベタな朝食。 ニュースを見ながらパンにイチゴジャムを塗る。 「誘拐事件で誘拐された被害者複数名の男女高校生が遺体で発見されました。警察は被害者の身元確認を急ぐと共に誘拐の注意を呼び掛けています」 姉「また誘拐?最近物騒だね~」 と他人事の姉もイチゴジャム。 僕「あぁ、これで何人目だよ…」 姉「正義も気を付けなよ?アンタと同じくらいの年の子達ばかりが誘拐されてんだから」 僕「じゃあ姉ちゃんは大丈夫だね。」 姉「よく言うね。」 姉は今年で21才 実に平和な会話だ。 僕「じゃあそろそろ行こうかな。」 そう言うとバックを右肩に掛け、玄関に向かう。 「じゃあ行ってきます。」 「行ってらっしゃい!」 照れているかの様なハニカミ顔で言う姉。 バタン― そしていつもの道を歩いていると― 「おっーす!正義!」 「あ、おっす。」 後ろから左肩ポンと叩かれる。こいつの名前は篠原貴(しのはらたかし)僕の中学時代からの友達だ。 貴「なぁなぁ!今朝のとくダネェ見た!?」 僕「あぁ、誘拐の?」 貴「それそれ!やべーよな!一つの地域じゃなくて全国で何十人なんだからよ!」 僕「確かにね…。どんな仕組みなのやら。」 貴「集団なのかな!やっぱり!」 僕「そりゃあまぁ…。そうだろうね。」 どっからどう考えたって集団に決まっている。でなきゃ、こんなのできないだろう。そんな他人事会話をしてたらあっと言う間に学校に着いた。 貴「我らが『神坂学園』!おはようございます!」 お調子者である。 カラカラ― バタン― 貴「やぁ!おはよう一年三組の諸君!」 「うっさいわよ!このバカ!」 貴「んだと!俺は朝の挨拶をしただけじゃねーか!ゴラァ!」 ドスは全く効いていない。貴に罵声を浴びせた彼女は色彩野彩芽(しきのあやめ)少し気が強いクラスメート。
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