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「蒼天既に死す、黄天正に起べし…だとぉ?なあにが蒼天既に死すだ!貴様等が騒ぐからだろう…!」
イライライラ、夏侯惇の苛立ちは止まらない。兵の誰かが持ってきた黄巾党の旗に目掛けズバリズバリと刀を振るう。
「黄巾党の、責ばかりでは御座いません。将軍」
「あ゛…?」
後ろを振り返るとすこし癖のある髪の青年、筍イクだ。
「ならばなんだというのだ、いえ小僧、俺の納得のいくことを謂わねば斬るぞ切り捨てるぞ」
ぎらぎらと光る目は戦場のそれと同じ。筍イクは思う、これが恐れか、と。
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