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机の上に積み上げられた五線譜のルーズリーフに手を伸ばす。
それらは全て、僕が渚を想い書いた曲だ。
臆病で想いを伝える勇気もない僕でも、渚に対する想いを歌にする事は出来た。
むしろ渚を想っている気持ち以外の内容を曲にしたことがない。
それぐらい僕の音楽には渚への想いが詰まっていた。
『たくさん書いたなー。あ、これ曲つけよう。』
独りごとを言いながらルーズリーフを漁っていたが疲れていた身体はいつの間にか眠りについていた。
『、、、ちゃんっ!めぐちゃんってば!』
自分を呼ぶ声で目が覚めた。ボヤけた視界の中に渚を見つけた。
『あぁ、渚、おはよ。』
『おはよ、じゃないよーもぉ。ハンバーグ出来たよ!ほら、下に来て食べよ。』
一階から美味しそうな匂いが漂ってきた。
渚は料理が上手い。
その料理を食べれるのは自分だけだ、と渚が料理を作ってくれるたび優越感を浸ってしまう。
『だ、か、ら!早く行こうよ。冷めちゃうよ?』
『あ、悪い悪い、行こう。』
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