11回目の2022年7月13日

3/4
前へ
/28ページ
次へ
「思い出を残そうと、結婚式にお披露目するために買ったこの装置で! 僕は今、君の死因を探ってるんだ!」 戸惑う彼女へ、ついに真実をぶち撒けた。 ドス黒い背徳感が、僕の腹から喉を犯して興奮を招いた。 美紀は何も言わないまま、自身の部屋を見回した。 彼女の視線が、玄関のほうで止まった。 「やっぱり、あの部屋か!」 「やめて!」 玄関の廊下には、バストイレとは別に、もう1つ部屋があった。 「陽一くん誕生日近いでしょ!? 実はプレゼントが置いてあるの! だからお願い! 開けないで!」 「前回は、遊びに来た弟が寝ていると言った」 「えっ?」 凍りつく美紀の顔を見るのは、これで何度目だろうか。 「その前は母親だ! よくもまあそんなにぽんぽんと嘘が思いつくな!」 未探索のそこに、何かある。 僕がそのドアを、開けようとした瞬間。 「う、あ」 背中に熱を感じた。 「み……き?」 「開けないで……何度、今日を繰り返しても、決して。お願い……陽一くん」 美紀の手には包丁が握られていた。  
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4895人が本棚に入れています
本棚に追加