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「陽一くん、ごめんなさい。でも大丈夫、これが本当にEX-Girlfriendなら、死なないから──」
美紀の泣き顔を最後に、景色が僕の部屋へ移り変わった。
背中をさすっても、血はついていない。
痛みも、錯覚でしかない。
EX-Girlfriend再現中に、ケガはしない。
不慮の事故が起きた場合、強制終了が起こる。
彼女はそれを知っていたから、僕を刺した。
それよりも、美紀が本気で陽一くんを殺そうとしたことに膝をついた。
あの部屋に、そうまでして知られたくない秘密があるのか。
僕は疑問と感傷を吐き出すかのように、むせび泣いた。
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