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「ごめんよ美紀。こうするしかないんだ」
僕は思いつく限りで、最も愛しい顔を浮かべ、彼女の頬にキスをした。
彼女は大きく見開いた目にたわわな雫を浮かべ、僕を見つめている。
部屋に入った瞬間、僕は彼女を縛り上げた。
元カノの意思に反する暴行や性行為、公序良俗に反する行いはEX-Girlfriendにおいてもできない。
この装置にはセキュリティが存在する。
そして〝人間が持てる物〟の範疇ならば、EX-Girlfriendに持ち込みは可能だった。
けれど再現中の〝元カノ〟に対し、持ち込んだ薬物やアルコール類の使用は出来ない。
さるぐつわをはめた彼女は、変貌した陽一くんに疑問と嘆きを抱いているだろう。
彼女の視界に映る陽一くんはSMの趣味があるわけでも、女性を暴行することに興奮するわけでもない。
愛しい人の死因を知りたい、ただそれだけだった。
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