37回目の2022年7月13日

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1台は陽一くん……僕と一緒に買ったものだった。 彼女が録画を放棄したデータが残ってる。 けど、もう1台は知らない。 分かることは、左に置かれた物よりも古いことのみ、だった。 広がる疑問のなか、僕はそのスイッチを押した。 押した瞬間、なかのデータが再現される。 辺りはさらに、違う部屋になった。 ゼブラ柄のカーテン、たくさんの少年漫画、パソコンにベッド。 直感的に、それが男の部屋と分かった。 「あれ? 美紀、なんで俺の部屋にいるの?」 振り向くと、そこには1人の男が座っていた。 ボサボサの髪に、白いトレーナーを着た、20代前半の男。 「あ、あんた、大林一樹か!?」 「え? 当たり前じゃん。どうしたんだよ……なんか怖いよ」 彼は僕を美紀だと認識している。装置の設定が〝美紀〟になったままなんだ。 僕は幽霊でも見るかのように、怯えた。 「お、お前は5年前に死んだろ!」  
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