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1台は陽一くん……僕と一緒に買ったものだった。
彼女が録画を放棄したデータが残ってる。
けど、もう1台は知らない。
分かることは、左に置かれた物よりも古いことのみ、だった。
広がる疑問のなか、僕はそのスイッチを押した。
押した瞬間、なかのデータが再現される。
辺りはさらに、違う部屋になった。
ゼブラ柄のカーテン、たくさんの少年漫画、パソコンにベッド。
直感的に、それが男の部屋と分かった。
「あれ? 美紀、なんで俺の部屋にいるの?」
振り向くと、そこには1人の男が座っていた。
ボサボサの髪に、白いトレーナーを着た、20代前半の男。
「あ、あんた、大林一樹か!?」
「え? 当たり前じゃん。どうしたんだよ……なんか怖いよ」
彼は僕を美紀だと認識している。装置の設定が〝美紀〟になったままなんだ。
僕は幽霊でも見るかのように、怯えた。
「お、お前は5年前に死んだろ!」
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